あなどれないね、世唯くん。
その声にびっくりして、あわてて席に座りつかまれていた手を引いた。
世唯くんも何も言わずわたしの隣に座った。
「って、まだ補習の開始時刻になってなかったな!篠原先生に話は聞いてるよな?またしばらくしたら様子見に来るから、サボらず2人で頑張れよー?」
なんて……簡単に話すと向井先生は出て行ってしまった。
またしばらくしたらって……それまで世唯くんと2人っきりの状況は変わらない。
変に意識しているわたしとは対照的に、世唯くんは落ち着いていて、もうすでに課題のプリントを解き始めていた。
とりあえず、わたしも課題を終わらせなければいけないので同じように進めた。