あなどれないね、世唯くん。



***


あれから2時間半くらいが過ぎた。

今日の補習はお昼の12時まで。
終了の時間まで残り30分になった。


その間、世唯くんとは何も話すことなく、一度だけ向井先生が様子を見に来ただけ。


あと少しで課題のプリント全てが終わりそうなのに、なんだか頭がボーッとしてきた。

手で顔に触れてみると、熱を持っていた。


たぶん、暖房がききすぎているせいで身体が火照っているのかもしれない。


身体の熱を放出するために、着ているカーディガンを脱いでブラウス1枚になった。

これでも全然寒くない。


ただ、やっぱり熱いのは変わらなくて、なんだかポーッとしてしまう。

脱いだカーディガンをパイプ椅子の後ろにかけようとしたら、それが床に落ちた。


とっさに拾おうと思い、床に手を伸ばしたらクラッときた。


一瞬ふわっと浮いたような感覚になった。

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