あなどれないね、世唯くん。
そして、身体は前のめりになって倒れてしまい……。
隣にいた
……世唯くんがとっさにわたしの身体を抱きとめた。
いくら偶然とは言えど、こんな形で世唯くんに触れられると思っていなかったわたしの頭の中は混乱状態。
でも、熱くて思考がうまく回らない。
早く身体を離してくれたらいいのに、なぜか世唯くんはわたしを抱きしめたまま離してくれない。
「……身体熱いね」
なんて言いながら、さらにギュッと抱きしめてくる。
熱いのはきっと暖房のせいなのに……。
世唯くんに触れられているせいで、
もっともっと熱くなる。
「……風邪?熱でもある?」
その問いかけに、首をフルフルと横に振る。
すると、ゆっくり身体を離されて、
頬に冷たい世唯くんの手が触れた。
ひんやりして、とても気持ちがいい。
「……ね、いと」
ゆっくりと、世唯くんの手がわたしの頬を撫でながら。
「……気づいてる?
今、すごく色っぽい顔してんの」