あなどれないね、世唯くん。
波乱と、捨てられない想い。
2週間もなかった冬休みがあっという間に明けた。
冬休み中にあった、残り数日の補習は何事もなく終わった。
世唯くんも補習に参加はしていたけど、初日のときみたいに2人っきりになれることはなかったので、特に話すことなく……。
そして、新学期初日の今日。
ずっとなかった席替えがホームルームであり、世唯くんとは離れた。
わたしが廊下側のいちばん前の席。
世唯くんは窓側のいちばん後ろの席。
まるで、今のわたしたちの距離を表すかのように、端っこと端っこ。
でも、ちょうどよかったかな。
これでもうクラスでも近くにいることはないから。
そして、迎えた放課後。
いつもどおり1人で帰ろうとしたら。
「じゃーな、花町」
後ろからそんな声が聞こえて振り返る。
「あっ、また明日…ね」
今回あった席替えで、偶然にもわたしの後ろの席は真尋くんだった。