あなどれないね、世唯くん。



「ここ寒いでしょ?
これ飲んだら身体温まると思うよ〜?」

こんな状態で、ふつうに飲み物が喉を通るほど、わたしの精神はそこまで強くない。


それに、この飲み物だって中に何が入ってるかわからない。


「安心してよ。
別に中に変なものとか入れてないから〜」

なんて言いながら、目の前のカップを自ら手に取りわたしの前で飲んでみせた。


「ほら、大丈夫でしょ?」

「い、いらない……。
そんなの飲みたい気分じゃない……から」

ようやく声が戻ってきた。


「ふーん、そう。
じゃあこれはわたしがもらっちゃお〜」


本当に何を考えてるの…。
わたしをこんなところに連れてきて、いったい何が目的なの?


「さてと、それじゃ本題に入ろうかな〜」

再び目の前の椅子に座った加奈ちゃん。

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