あなどれないね、世唯くん。
それは、"わたし"だからではなく……。
加奈ちゃんと、どことなく似ているという対象で興味が湧いただけ……と。
「もともと同じクラスで糸羽に興味があったから。たぶん……どこかで加奈の面影を探して、当てはめてたのかもしれない」
ギュッと胸が苦しくなった。
やっぱり、世唯くんがわたしに構ってくれていたのは、加奈ちゃんの代わり……面影を探していただけだったのだから。
「でも、糸羽は加奈と全然違った。
少し触れたくらいですぐ顔真っ赤にして、すごく恥ずかしがり屋で、さびしがり屋で。
触れるといつも魅惑的な表情を見せてくるから。糸羽の反応は俺にとっては、今まで加奈以外の子を見ていなかったから、ぜんぶが新しくて、可愛かった」
「っ……」
「……気づいたら、糸羽に夢中になってた」
そう言いながら、ゆっくり身体を離して、まぶたに軽くチュッとキスを落としてきた。