あなどれないね、世唯くん。
***
「ん……」
ふと、意識がはっきり戻ってきたとき、
わたしは目を閉じていた。
身体が柔らかい感触に包み込まれていることから、おそらくベッドの上に寝かされている。
そして、人の体温も感じる。
ゆっくり目を開けると……。
「……あ、起きた」
「……?」
目の前に世唯くんの顔があって。
腕枕してくれていて、身体も密着していて。
「いと、キスしてる間に気失うから」
「へ……?」
「ちょっとイジワルしすぎた?」
「う……っ」
さっきまで……というか、意識があったときのことを思い出すとまた熱くなってきそう。
「いとが可愛すぎて止め方わかんなくなった」
「世唯くん……手加減してくれないもん」
「そりゃ、あんな可愛い誘い方されたら加減とか無理でしょ」
イジワルく笑いながら唇をふにふに触ってくる。