あなどれないね、世唯くん。
「……ってか、あの状況でキスしかしてないんだから褒めてほしいくらいだけど」
その言葉にハッとして、自分の胸元を見てみればさっきまで全てボタンが外されていたのに、閉じられていた。
「ブラウスのボタンちゃんと閉めたよ」
「うっ……」
「さすがにそのままにしておいて、耐えられるほど俺の理性はしっかりしてないからね」
なんか改めて言われると、恥ずかしいというか……。
そ、そういえば……今いったい何時なんだろう?
「えっと……今って何時くらい……?」
わたしが聞くと、世唯くんがベッドの枕元に置いてある自分のスマホで確認してくれた。
「……夜の7時前くらい」
「あっ、そっか……。
じゃあ、わたしもう帰らないと……」
「いと帰っちゃうの?」
「えっ、だって……」
「今日は離したくないね」
「っ……!」
「……泊まっていけないの?」
甘いおねだり。