あなどれないね、世唯くん。
彼女と、甘い時間。



世唯くんの彼女になってから2週間が過ぎようとしていた。

最近のわたしの毎朝の日課は……。


「世唯くん、起きて」

朝、家を少し早い時間に出て、世唯を起こしに行くこと。

今までちゃんと自分で起きて学校に来ていたんだから、そのままいつもどおり来てくれればいいのに。


わたしが起こしてくれたほうが目覚めがいいからとか、何かしら理由をつけてくる。

ふつうに合鍵とか渡されちゃったし。


ここ最近ほぼ毎日、もらった合鍵を使って部屋の中に入り世唯くんを起こして、一緒に学校へ行っている。


「せーいくん、起きてってば」

朝起きの悪い世唯くんは一度声をかけたくらいでは目を覚ましてはくれない。


とりあえず閉め切られているカーテンを全開にして、窓から朝の日差しを部屋の中へ入れる。


「起きないと遅刻しちゃうよ」

ベッドに座って、寝ている世唯くんの身体を揺する。

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