あなどれないね、世唯くん。
すると、ようやく眠っていたのから戻ってきたのか、世唯くんの身体がわずかに動いた。
モゾモゾと動いて、何かを探している様子。
そして、わたしの身体に触れると。
「……ん、いと」
わたしの腰に腕を回して、ギュウッと抱きついてそのままお腹に顔を埋めてくる世唯くん。
「お、起きて?もう朝だよ」
優しく世唯くんのサラサラした髪に触れながら、頭を撫でてあげる。
「……眠い、起きれない」
「そんなこと言わないで?」
「……んー、いとがキスしてくれたら起きる」
「えぇ……っ」
いつもこんなことばっかり言うから。
本当はもうほぼ起きてるくせに。
ずっとわたしのお腹に顔を埋めていたのに、キスをせがむように顔を上げてきた。
「ねー……いと、してくれないの?」
「ちゃ、ちゃんと起きてね……?」
仕方なく、世唯くんの頬に軽くチュッとした。