あなどれないね、世唯くん。



唇はギリギリ外した位置。

ちゃんとしたのに、世唯くんはだいぶ不満そう。

だけど起きてもらわないと困るので、不満そうな顔をスルーして。


「お、おはよ、世唯くん」

「……おはよ」

案外すんなり返事をしてくれたので、ホッとしたのもつかの間。


「……んじゃ、今度は俺の番ね」

「へ……っ?」


急に強い力で腕を引かれて、ベッドにドサっと沈み込む身体。

その上に覆いかぶさってくる世唯くん。

こ、これは……。


「……あんなんじゃ足りないよ。
もっと甘いのしてくれないと目覚めない」

「ちょっ……ん」


寝起きの世唯くんは加減ってものを知らない。

普段からなかなか加減をしてくれないけど、寝起きはもっと危険。


「いと……ほんと可愛いね」

「っ、」

結局、またこうやって世唯くんに流されてしまう。

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