あなどれないね、世唯くん。



そして迎えたお昼休み。

いつものように、世唯くんが待つ部屋に向かう。
扉をガラッと開けると、そこにはいつもと変わらずソファに座った世唯くんがいた。


「あー……やっと来た」

待ってたよって顔をして、入り口に立っているわたしを手招きしてくる。


そのまま中に入って、世唯くんが座るソファの目の前に立つと、わたしの両手をギュッと握ってきた。


これだけの動作で、たぶんわたしの顔はすでに赤くなってきていると思う。


「ねー、いと」

「な、なに?」


「朝の続きしたいんだけど、
その前にいっこ聞いていい?ってか、直して」

直す……とは?


すると、握っていたはずの手が片方離されて、その手がそのままわたしのスカートの裾を引っ張ってくる。


「へ……っ、ちょっどこ触って……」

「このさー、スカートどうにかして」


スカートどうにかして……とは?
えっ、世唯くんが気に入らない何かがあるってこと?

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