あなどれないね、世唯くん。



「いとってさ、その自覚のないの天然なの?」

「てん、ねん?」


「男ってのは、みんな糸羽みたいに可愛い子のこと変な目で見てんだよ、隙があれば狙ってんの」


「か、可愛いなんて……。
世唯くんに言われたら照れちゃう……よ」


世唯くんには何を言われてもドキドキしちゃうし、可愛いなんて言われたら心臓バクバク。


「……あー、もうそういうとこ。
無自覚に煽ってんの気づいてる?」

少し困った顔をしている世唯くん。


「とにかく、この長さはダメ。
スカート何回折ってんの?」


「に、2回……」

「折りすぎ却下」

「えぇ……っ」


すると、わたしのお腹のあたりのシャツを上げて、スカートの長さを変えようとしてくる。


「じ、自分で直すから……っ」

お腹のあたりに世唯くんの手が触れて、動いているからくすぐったい。

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