あなどれないね、世唯くん。



他の子なんて見てほしくないし、渡したくない。

わたしだけ見ててほしいって思うことはわがままなのかなぁ……?


「そんな可愛いのどこで覚えたの?
誰かに教えてもらったの?」

「わ、わかんない」


「へー、いとはほんと俺を煽るのが得意だね」

「え……っ?」


「そんな可愛いこと言われたら離せなくなる」

「で、でも…もうすぐお昼休み終わっちゃ……」


まだ話してる途中なのに、世唯くんの人差し指がトンッと唇に触れてきて。


「……まだ、いとの可愛い声聞いてないから」

「っ、」


「満足するまで離してあげない」


お昼休みを超えて、さらに1時間。

言葉どおり、世唯くんが満足するまでなかなか離してもらえず……甘い時間を過ごした。

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