あなどれないね、世唯くん。
初めて、2人のデート。
まだ冬の寒さが抜けない2月の中旬。
今日はなんと世唯くんと初めてのデートなのです。
朝6時半にアラームをセットして、
クローゼットを全開にして、着ていく服を選ぶのに2時間かかり。
そのあとシャワーを浴びて、いろいろやっていたら時刻は朝の10時半を回っていた。
まだこれから髪の毛も直したいし、化粧もしたいし、やることがたくさん。
世唯くんとは駅で午後12時の約束なので、あまりもたもたしていられない。
今日は日曜日ということもあって、お父さんも家にいて、今ようやく落ち着いて朝ごはんを食べているところ。
テーブル1つ挟んでお父さんはコーヒーを片手に新聞を広げて読んでいるところ。
お母さんはキッチンにいたかと思えば、急にわたしとお父さんがいるテーブルのほうにきた。
「糸羽〜朝から気合い入ってるわね!
もしかしてデートとか?」
「ぶっ!!」
飲んでいたココアを噴き出しかけた。