あなどれないね、世唯くん。
そして同時に、目の前に座っていたお父さんまでコーヒーを噴き出しかけているのがわかる。
「やだ〜、そんなわかりやすい反応するなんて、あなたに似て糸羽は嘘がつけないのよね〜」
お母さんがお父さんに対して、にこにこ笑いながら言っている。
「糸羽もそんな年頃か……」
なんて、お父さんが新聞を置くとかなりショックな顔をして再びコーヒーを飲んでいた。
「と、年頃って別にそんなんじゃ」
「あら〜別に隠すことじゃないでしょ?お父さんも気になるのよ〜。大事な1人娘なんだから!
なになに、イケメンな彼氏なの〜?」
「い、イケメンって……」
すぐに頭の中に世唯くんの顔がポンッと浮かぶ。
それはもう、整いすぎててかっこよすぎる顔立ちで。
わたしにはもったいないくらいで、間違いなくイケメンの部類に入る。