あなどれないね、世唯くん。
「あっ、初めまして〜糸羽の母です〜」
とか、勝手に自己紹介始めちゃうし……。
少しはわたしの状態気にしてよ……!
「はじめまして、千景世唯です」
世唯くんもわたしを抱っこしたまま自己紹介しなくていいから……。
「えぇ、千景世唯くんってお名前なの!?まあ、お名前までかっこいいのね!ささ、とりあえずこんなところで立ち話もなんだから、よかったらあがっていって?」
と、なんともいえない流れでまさかの世唯くんがわたしの家に初めてあがることに。
いったんリビングに通されて、わたしはソファの上に下ろされてそのままグダッと寝転ぶ。
そして、世唯くんがわたしのお母さんに学校を早退してきたことを説明してくれた。
「あらっ、そんなに熱あるの!?
ごめんなさいね、糸羽が迷惑かけちゃったみたいで」
「いえ、全然大丈夫です」