あなどれないね、世唯くん。



はっ、そうだった。

世唯くん家に来てて、お母さんと会って話しちゃってたんだ。

おそらく、わたしが眠ったあとお母さんが世唯くんにいろいろ聞いたに違いない。


リンゴを食べながらジーッとお母さんを見てみれば、わたしが聞きたいことを察したのかにこっと笑った。


「何よ〜その目は。千景くんには何も余計なことは話してないわよ?」

「ほ、ほんとに?」


「ほんとよ〜。ただこっちからはいろいろ質問させてもらったけど〜」

ガクッ……。
ほら、やっぱり……!
何かよからぬことを聞いた予感しかしない。


「千景くんいい子じゃない。
糸羽のこと、もう大好きで仕方ないって感じだったわよ?」

「え、うそ…」


「ほんとよ〜。糸羽のことが可愛くて仕方ないって言っててね。いちいち反応が可愛いからイジワルしたくなるんですって!」

なんだかお母さんの口から聞くのはとてつもなく恥ずかしいんだけども…!

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