あなどれないね、世唯くん。



「んーん。俺甘いのあんま好きじゃない。
これくらい苦いほうが好き」


「そ、そっか。それならよかった」


どうやら、意外と満足してくれたみたいで頑張って作ってよかったと思う。

さっきまで拗ねて膨れてた自分は、もういなくなっていた。

ほんとわたしって単純というか……。


「いとは妬いたの?俺がたくさんチョコもらってるから」

「妬いちゃう……よ。
だって、わたしだけの世唯くんなのに」


恥ずかしさなんてどこかへ飛んでしまい、今は素直に思ったことを口にしてしまう。


「へぇ、可愛いこと言うね。
俺は糸羽だけのものだもんね?」

「そう…だよ」


「もちろん、糸羽も俺だけのものでしょ?」

「うん」


すると、いきなり脇の下に世唯くんの両手が入ってきて、そのまま身体を持ち上げられた。

「へ……っ?」

「ん、ここおいで」

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