あなどれないね、世唯くん。



満足そうに笑いながら、首筋を指でなぞってくる。

「糸羽は色が白いから。
紅いのがくっきり見えてて、すごくいいね」


「な、何したの……?」

「俺のものって印つけたの」

自分じゃ見えないけれど、さっきの痛みと紅い跡って言われたら、思いつくものは1つしかない。


「め、目立つところにつけたの?」

「そりゃーね。
目立たなきゃ意味ないし」


「は、恥ずかしいよ……っ」

ブラウスの襟元で隠せなかったら、どうしたらいいの?


「いとも俺につけてみる?」

「えっ……、」

冗談かと思いきや、目の前でいきなりネクタイをほどいて自ら首筋を見せてくるから動揺しないわけがない。


「ん、どーぞ」

いや、いきなりどーぞと言われても……!!


「む、無理無理……っ。
そんなのわたしにはできないよ」

そもそもどうやったら跡残るのかわかんないし!

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