あなどれないね、世唯くん。



もうやめたいのに、世唯くんがもっとしてって顔で見てくるから。


「こ、これ以上はできないよ……っ」

心臓がもうバックバクで、自分がやってることが恥ずかしすぎて、持ちそうにない。


「……そろそろ限界?」

わたしの様子を見ながら、そっと揺れる髪をすくいあげて、耳にかけてくる。

その問いかけにわたしはコクリと首を縦に振る。


「……じゃあ今日はここまでにしよーか。
これ以上やったらいとが倒れちゃいそうだし」

「うぅ……っ」


ほんとに、世唯くんのペースに全然ついていけなくて困っちゃう。


「やっぱいとは攻めるより攻められたい派?」

「えっ?」

な、なぜいきなりそんな話なるの!?


「攻められて恥ずかしがってる糸羽が可愛くて、めちゃくちゃに抱きつぶしたくなる」

「だ、抱きつぶ……っ!?」


なんだかとんでもないワードが聞こえてきたような。

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