あなどれないね、世唯くん。
「あ、そーだ。
せっかくだから、いとがチョコ食べさせて?」
そう言って、世唯くんがチョコが入った箱に手を伸ばしわたしに渡してきた。
「え、えと……」
「あーんしてよ」
自由気ままで、やりたい放題にやる世唯くんに振り回されてばかり。
チョコを1つ手に取り、そのまま世唯くんの口に運んであげた。
「……苦いから口直しね」
「え……んんっ」
直後、唇を奪われた。
ほんのりビターなチョコの味のキス。
世唯くんの口の中で溶けたチョコが苦くて、でもキスがとても甘すぎて……。
「……あっま。病みつきになりそう」
何度もキスを落として、角度を変えて深く口づけしてくる。
息苦しいのに、離れてほしくない。
この甘さにずっと浸っていたい……。
「はぁ……っ」
「いと、その顔やばいね」
「ふぇ……っ?」
「襲ってくださいって顔してる」