あなどれないね、世唯くん。



「えと、先にはい……」

「俺と2人がいいって?」


「言ってない!」

「へぇ、俺と2人いやなの?」


いやと言われても。
そもそもお風呂一緒に入るなんてレベル高すぎるもん。


「……ショック。いとに拒否されるなんて」

そんなあからさまに嫌味っぽく言わなくても。


「ま、また今度……っ」

「今度っていつ?」

迫ってくる世唯くんを必死に押し返す。


「わかん、ない」

「いとって焦らすの好きなの?」

「は、はい??」

「ふーん、そういうのがお好みなんだね」


あれれ、なんか変な誤解されてる!?
わたしそんなのお好みでもないんだけど!


「じゃあ今日はいいよ。
その代わり一緒に寝てくれる?」

「そ、れは、もちろん」

世唯くんに抱きしめてもらって、眠るのはすごく心地が良くて嫌いじゃないから。

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