あなどれないね、世唯くん。
「んじゃ、いと先入る?」
「あっ、わたしは後で大丈夫」
お風呂いつも時間かかっちゃうから、先に入ると後に待ってる世唯くんが入る時間遅くなっちゃうだろうから。
「そう。じゃあ俺先入るね」
「うん」
こうして世唯くんがお風呂にいってしまったので、1人でソファに座りクッションを抱える。
1人だとひまだなぁ。
何して時間つぶそう。
とりあえずテレビでも見ようかなと思い、テーブルの上にあるリモコンに手を伸ばしたとき。
「いとー。いとはー」
何やら脱衣所のほうから世唯くんの声がする。
「どうしたの?」
リビングの扉を開けて、脱衣所のほうまで声が通るように大きめに問いかける。
「着替え持ってくるの忘れたから持ってきて」
「あ、わかったよ」
すぐに寝室に行って、ベッドの上に置いてある部屋着をもって脱衣所に行く。