あなどれないね、世唯くん。
返事をするひまもなく、世唯くんがわたしの身体をふわっと抱き上げた。
びっくりしたけど、世唯くんに抱っこされるのは嫌いじゃない。
ゆっくり世唯くんの首筋に腕を回して、身体をすべてあずける。
そしてあっという間に寝室についてベッドの上に下ろされる。
部屋の中はベッドのそばにある薄暗い明かりがつけられているだけ。
「……もう寝る?それとも、もっと他のことする?」
「他のことって?」
「なんだと思う?」
フッと笑いながら軽くキスをされた。
「……こーゆーこと」
今度は、さっきよりも長いキス。
身体がゆっくりベッドに倒されて、ギシッときしむ音が聞こえる。
少しの間、塞がれたままで
離れていくと、上から見下ろしてくる世唯くんの瞳がいつもより熱を増してる。
何かを欲しているような、そんな瞳……。
艶っぽくて、色っぽい表情。