あなどれないね、世唯くん。

たくさん我慢させちゃってるから。
いい加減、わたしも覚悟を決めなきゃいけないというか。


「……焦るようなことじゃないってわかってるけど。糸羽のぜんぶ、俺のにしたいって思ってばっかりだから」


「してくれて、いいよ……」

「は……？」

こんなにびっくりした顔をしている世唯くんは初めて見た。


「た、たくさん待ってもらったから……っ」

「……それ本気で言ってんの？」


余裕のなさがさらに失われて、ここで"うん"と言ってしまえば、止まってくれないと思う。


「せ、世唯くんの、したいように
してくれたら……それでいいの……っ」

きっと、世唯くんなら優しくしてくれるから、大丈夫って思えるの。


「っ、ほんとやばいね。
俺、こんな誘惑に耐えられないよ……」


「い、いいよ。我慢しなくて……っ」


すると、もう止まらないからと言わんばかりに強引に唇を塞がれた。