あなどれないね、世唯くん。
***
カーテンから漏れてる光のせいで、眠っていた意識が徐々に戻ってきた。
温かい体温に包まれて、すごく心地がいい。
ずっとこのままでいたいと思えるくらい。
まぶたをそっと開けると……。
「……おはよ、いと」
すぐに世唯くんの顔が飛び込んできた。
「あっ、おは……よ」
まさかもう起きていたなんて。
昨日の夜のことを思い出してしまい、途端に恥ずかしさに襲われ顔を隠す。
「なんで隠れるの?」
「やっ、だって……っ」
布団にくるまって恥ずかしさから逃げようとするのに。
「……昨日のこと思い出しちゃった?」
「っ!」
「……可愛かったよ、ほんと。
いとが甘い声で鳴くから止められないし」
「そ、それいま言わないで……っ!」
枕を引っこ抜いて、世唯くんの顔にバフッとあてる。
でもそんな抵抗しても無駄で。