あなどれないね、世唯くん。



ちなみに寿々は唯一、わたしが世唯くんを好きなこと、出会ったときの出来事から、今お昼休みに会いに行っていることも知っている。


「ったくもう、もっと乙女チックになりなさいよ〜!隣になったらあんなことやこんなこと〜とかさ」


「席隣になったくらいで大げさだよ」


でも、もし隣になれたら嬉しいといえば嬉しいけど。
今はすごい離れているし。

それに、世唯くんがわたしのことを他の子より特別扱いしてくれるのは、あの部屋にいるときだけ。

クラスにいるときは全然喋らないし。


なんだか複雑だなぁ…と思いながらホームルームが始まった。


「よーし、今日は席替えするぞー。先生特製のくじを作ってきたから窓側の席のやつから順に引きに来いよー?」


棚井先生が箱をガサガサ揺さぶって、中に入っているであろうクジを混ぜる。


わたしがクジを引けるのはなんとも災難なことに1番最後。

窓側からクジを引くから、廊下側の1番後ろに座っているわたしは必然的にラスト。

< 46 / 339 >

この作品をシェア

pagetop