あなどれないね、世唯くん。
引いた席の場所に移動する。
そういえば、両隣りの人は誰なんだろう。
黒板には番号しか書かれていないから、誰が隣に来るのかわからない。
もし、どちらかに世唯くんが来たらいいな…なんて微かにそんなことを思っていると。
「おっ。俺の隣、花町なんだー」
わたしの右隣に、荷物を運んでやってきた
藍野真尋(あいの まひろ)くん。
藍野くんはクラスのムードメーカーで、常に明るくて笑っているイメージ。
黒の短髪に、制服はみんなと違ってパーカーを中に着ていてかなり着崩している。
「あっ、藍野くんなんだ隣。よろしくね」
藍野くんは前の席でも、斜め前に座っていてちょくちょく話はしていたし、男子の中でも話しやすいのでそんな藍野くんが隣でよかったと思った。
「花町また後ろの席じゃんー。
ほんとクジ運いいよなー、俺にもわけてほしい」
「えぇ、とか言って藍野くんだって今回後ろの席じゃん」