あなどれないね、世唯くん。
かと思えば、少ししてから唇から指先は離れて、
今度はその指先を自らの唇にもっていく世唯くんの動作は簡単にわたしをドキドキさせる。
こ、これじゃ……キス、したようなものじゃん…っ。
唇が直接触れたわけじゃないのに、今の動作を見ていただけで、まるで世唯くんとキスしたのか…なんて錯覚に陥る。
そのせいで、顔全体が簡単に熱を帯びる。
手は握られたまま。
みんなには見られてはいけない、秘密の中での甘い刺激にクラクラする…。
そして極めつけは……
「……昼休み、甘いことしよーね」
ストンッと落とすようなことを言われれば、逆らえるわけもなく。
いつもより甘くて、少し刺激的な20分を過ごしたのは内緒……。