あなどれないね、世唯くん。
甘えて、わがまま。



ある日のお昼休みのこと。

いつもどおり世唯くんに会いに行った。


扉をガラッと開けて、真っ先に視界に飛び込んできた世唯くんがソファで眠っている姿。

たしか2時間目から今に至るまで教室にいなかったから、ここでサボっていたに違いない。


もう……学校に来てるなら授業受ければいいのに。


世唯くんがサボるのは珍しいことじゃないけど。
……なんて思いながら眠り世唯くんに近づいて身体を揺すった。


「世唯くん、起きて。お昼休みだよ」

わたしが声をかけると、いつもすぐ反応するけど今日は少し鈍い。

……というか、なんか顔色が悪いように見えるのは気のせい?


すると、少ししてから世唯くんの身体がピクッと動き、閉じていたまぶたがゆっくり開いた。

かと思えば、世唯くんはボーッとわたしの顔を見つめたまま。


そしてわたしの腕をつかんで引き寄せて、わたしのお腹に顔を埋めた。

< 60 / 339 >

この作品をシェア

pagetop