あなどれないね、世唯くん。
「ちょっとくらい手出してもいい?」
「なっ、ダメです!
病人なんだからおとなしく寝てください」
「……言うこと聞くって言ったくせに」
「それならさっき聞いてあげたもん」
「1つなんて約束してない」
「…………」
あぁ…たしかに。
いっこだけって言うの忘れてた。
「だからさー、少しだけ糸羽に触れさせて」
「っ……、ん」
そんなこと言いながら、わたしはまだいいって言っていないのに、平気で首筋にキスを落としてくる。
「この白い肌……ほんとたまんない。
噛みつきたくなる」
「や……だ…っ」
抵抗するために身体をよじるけど、全然効果がない。
ギュッとシーツを握って、甘さに耐える。
舌でツーッと舐められて、チュッと吸い付かれて。
「……っ、」
「いーと、声我慢しないで」
無理という意味を込めて、首を横に振る。
「……甘い声、聞きたいのに」
「……ぅ……ぁ」
世唯くんは、わたしの弱いところぜんぶ知っているかのように身体に触れてくる。