あなどれないね、世唯くん。
接近で、駆け引き。



今は9月の下旬。

10月に入ってから学校では文化祭があるので、それに向けて今クラスでは絶賛準備中。


「きゃ〜寿々ちゃんめっちゃ似合ってるよ〜!!」


今は放課後で、文化祭で着る衣装合わせをしているところ。

ちなみに、わたしのクラスはメイド喫茶とやらをやるらしく……。


いま、寿々が黒のワンピースに白のエプロンをしてカチューシャをして試着中。

寿々は元が可愛いから、何を着せても似合う。

クラスのみんな大絶賛。


わたしはそんな光景をクラスの端っこで看板の色塗りをしながら見ていた。


「すげーな、青山」

クラスメイトに囲まれている寿々をわたしと同じく遠くから見ながら言った藍野くん。


「ほんと、寿々は可愛いから。なに着ても似合っちゃうんだよ」


ちなみに、看板を塗るという作業はわたしと藍野くんでやることになっているので、最近放課後こうして2人で教室の端で作業をしている。

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