あなどれないね、世唯くん。



***


4時間目終了のチャイムが鳴り、ようやくお昼休みを迎えた。

世唯くんは相変わらず午前中は授業に参加していない。

またサボってるのかな。

早く顔が見たいなぁとか、早くギュッてしてほしいなぁ……なんてことを考えて、いつもどおり教室を出ようと席から立ち上がったとき。


「なぁ、花町」

隣から声をかけられて、思わず動きを止めた。

「どうしたの、藍野くん」

お昼休みに藍野くんが教室にいるなんて珍しい。


いつもはチャイムが鳴ったと同時くらいに、クラスの男子たちと食堂に行ってるのに。


「あのさ、今から2人で昼めし食べない?」


こ、これはお昼のお誘いを受けてるってこと?


「今日、花町のこと誘おうと思ってコンビニでパン買ってきた」

机の横にぶら下げたコンビニの袋を指差しながら言う。


「あっ、えっと……そっか」


ど、どうしよう。
まさかの展開にどうしたらいいかわかんない。

< 82 / 339 >

この作品をシェア

pagetop