あなどれないね、世唯くん。
***
4時間目終了のチャイムが鳴り、ようやくお昼休みを迎えた。
世唯くんは相変わらず午前中は授業に参加していない。
またサボってるのかな。
早く顔が見たいなぁとか、早くギュッてしてほしいなぁ……なんてことを考えて、いつもどおり教室を出ようと席から立ち上がったとき。
「なぁ、花町」
隣から声をかけられて、思わず動きを止めた。
「どうしたの、藍野くん」
お昼休みに藍野くんが教室にいるなんて珍しい。
いつもはチャイムが鳴ったと同時くらいに、クラスの男子たちと食堂に行ってるのに。
「あのさ、今から2人で昼めし食べない?」
こ、これはお昼のお誘いを受けてるってこと?
「今日、花町のこと誘おうと思ってコンビニでパン買ってきた」
机の横にぶら下げたコンビニの袋を指差しながら言う。
「あっ、えっと……そっか」
ど、どうしよう。
まさかの展開にどうしたらいいかわかんない。