あなどれないね、世唯くん。



「都合悪い?」

「いや……悪くはないような、悪いような」

「それどっちだよ」


だって、お昼休みはいつも世唯くんに会いに行ってるから。

でも必ず毎日会いに行く約束をしてるわけでもない。

ただわたしが、会いたくて勝手に会いに行ってるだけ。

……世唯くんからしてみれば、わたしが来ても、こなくてもどっちでもいいのかな…なんて。


もしかしたら世唯くんは1人で過ごしたいのに、いつもわたしが来るから仕方なく相手してくれてるだけ…とか。


なんだろう、ちょっとだけ悲しくなった。


「花町?」

「…………」


そして、休み時間に寿々に言われたことを思い出した。

世唯くんだけじゃなくても、他にも男の子はいて目を向けてみてもいいんじゃないかって。


だから、ここで少しだけ藍野くんといてもいいかなとか思った。

なので。


「わ、わかった。一緒に食べよっか」

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