あなどれないね、世唯くん。
嫉妬と、甘い毒。
お昼休み開始のチャイムが鳴ると、わたしは逃げ場を失う。
「んじゃ、行く?」
「うぅ……」
藍野くんに声をかけられて、お昼を一緒に食べるために屋上へ。
ここ1週間、ずっと藍野くんとお昼を食べている。
約束したのはとりあえず1週間なので、今日を過ごせば終わりのはずなんだけど。
「あ、花町が食べてる卵焼きうまそー。いっこもらい」
なんて言いながら、わたしのお弁当に入っている卵焼きを食べた藍野くん。
うーーん……やっぱり藍野くんが何を考えているか、さっぱりわからない。
一緒にお昼を食べてるとき話す内容は他愛のないことばかり。
おまけに放課後も一緒に残っているから、正直寿々よりも過ごしている時間が長いような……。
「あ、あのですね藍野くん」
「ん?」
「とりあえず今日で1週間過ぎたんですけども。そろそろわたしのこと解放してくれてもいいんじゃないかと…」
「へー、1週間って期限ちゃんと覚えてたんだ?つか、解放ってなんか俺が悪者に聞こえるじゃん」