あなどれないね、世唯くん。
「濁ってるってな…。どう見てもクリアだろうが」
そう言いながら、さっきは合わせたがらなかった目線を合わせてきた。
ほんとにきれいな瞳の色。
髪の毛と同じような、少し暗めの茶色。
「う…ん、クリアですね……きれい…です」
なんだかこんなに顔をまじまじと見られるのに耐えられないし、胸のあたりが少しだけざわつく。
世唯くん以外の男の子とこんな接近するなんて。
「……なんで敬語?つか、目そらすな」
「っ、」
目をそらしたら、藍野くんが両手で頬を挟んできて目線を合わせてくる。
なんなの……さっきまで顔赤くして余裕なさそうにしてたくせに。
「……今度は花町のほうが顔赤い」
「ひぇっ……」
「やばいよ、その可愛い声。
もうこれ少しくらい手出してもいい状況じゃん」
ぜったい、いつもの藍野くんと違う。
わたしを見る目が余裕がなさそう。
しかもいつもよりかなり攻めの姿勢。