見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
「周さん……もしかして待ってたんですか?」
「一応。また転んだりしないか心配だったからな」
やっぱりそうだったんだ。周さんって基本ストイックだけど、根っこの部分が優しい。
嬉しさと申し訳なさが入り混じった気持ちになっていると、彼が私のすぐそばに歩み寄ってくる。こちらに手を伸ばし、やや身を固くする私の髪に指を絡ませた。
「まだ髪が濡れている」
「あー……あとは自然乾燥でいいかなって」
大雑把さを隠さずにへらりと笑った瞬間、彼の眉根がぎゅっと寄せられる。
〝げ〟と思ったときには、手を引かれて洗面所に逆戻り。そして、なんと私の背後で周さんがドライヤーを構えるではないか。
「周さん!?」
「風邪をひかれたら困る。それに、自然乾燥はあまり髪によくないと聞いた。面倒くさがるな」
険しいお顔で温風を当て始める彼。この人が女の髪を乾かすというミスマッチな行為に、私は戸惑いを隠せない。
まだ日が浅いから私が知らないだけで、実はこういうこともするタイプだったんだろうか。特に今日は、抱きかかえて運んでくれたり、お風呂を上がるまで待っていたりと過保護な気がする。
スパルタな日々を想像していたのに、こんなふうにされたら、私はどんどんダメな女になりそうなんですが。
「一応。また転んだりしないか心配だったからな」
やっぱりそうだったんだ。周さんって基本ストイックだけど、根っこの部分が優しい。
嬉しさと申し訳なさが入り混じった気持ちになっていると、彼が私のすぐそばに歩み寄ってくる。こちらに手を伸ばし、やや身を固くする私の髪に指を絡ませた。
「まだ髪が濡れている」
「あー……あとは自然乾燥でいいかなって」
大雑把さを隠さずにへらりと笑った瞬間、彼の眉根がぎゅっと寄せられる。
〝げ〟と思ったときには、手を引かれて洗面所に逆戻り。そして、なんと私の背後で周さんがドライヤーを構えるではないか。
「周さん!?」
「風邪をひかれたら困る。それに、自然乾燥はあまり髪によくないと聞いた。面倒くさがるな」
険しいお顔で温風を当て始める彼。この人が女の髪を乾かすというミスマッチな行為に、私は戸惑いを隠せない。
まだ日が浅いから私が知らないだけで、実はこういうこともするタイプだったんだろうか。特に今日は、抱きかかえて運んでくれたり、お風呂を上がるまで待っていたりと過保護な気がする。
スパルタな日々を想像していたのに、こんなふうにされたら、私はどんどんダメな女になりそうなんですが。