見習い夫婦～エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます～

確かに、よくよく見れば涼しげな目元や唇の形、凛とした雰囲気が周さんと似ている。まさかお母様と、草むしりをしているときに出くわしてしまうなんて……。

唖然とする私はさて置き、お母様はドアを開けて中へ入っていく。私も慌てて帽子を取ってあとに続くと、ちょうど周さんがリビングダイニングから出てきた。

彼はお母様を見て、驚くと同時に固まる。


「周、ただいま」

「おい、なぜ今ここにいる」


ぎゅっと眉間にシワを寄せた周さんに、お母様は呆れた調子でひとつ息を吐き出す。


「開口一番で失礼ね。帰ってきたに決まってるじゃない」

「来週の予定だっただろう」

「それがダメになって、今時間ができたから私だけ来たのよ。このあとは日本(こっち)の施設の視察をしに行くから、あまり時間はないけど。ほら、お土産があるから来て」


紙袋をひょいと掲げてみせた彼女は、周さんの脇をすり抜けてリビングダイニングに入っていく。どうやらここには少し立ち寄っただけらしい。

周さんはお母様を目で追ったあと、げんなりした様子で額に手を当てる。