見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
感心したようにこちらを見つめるお母様に、少々後ろめたさを感じつつ謙遜した。普段ズボラな私が、今日は珍しくやる気になっただけなので……。
肩をすくめていると、周さんがおもむろに口を開く。
「そう、希沙が俺の選んだ人だ。旧華族でも、富裕層でもないが、この子以上の存在はどこを探してもいない」
きっぱりと言い切る彼に目を向ける。その瞳に迷いや偽りは感じず、小さく胸が鳴った。
お母様は、周さんに真剣な眼差しをぶれることなく向けている。
「……これまでの一柳家の決まりを変えるほどなの?」
「ああ」
即答した彼は、なにか思いを巡らせるような伏し目がちになる。その表情はとても柔らかい。
「俺にはできない考えをする彼女には、度々はっとさせられるし、自分が優しい人間になれる気がする。それに……一緒にいると、楽しい」
穏やかな声で紡がれた言葉は、初めて聞く、私に対する彼の気持ち。
〝勘〟ではなく、具体的な理由が出てきて驚いた。そして、私と同じくふたりの日々を楽しいと感じていることに、胸がじんわりと温かくなる。
周さん、こんなふうに思うようになってくれたんだ。ちょっと目が潤んじゃうくらい、すごく嬉しい。
肩をすくめていると、周さんがおもむろに口を開く。
「そう、希沙が俺の選んだ人だ。旧華族でも、富裕層でもないが、この子以上の存在はどこを探してもいない」
きっぱりと言い切る彼に目を向ける。その瞳に迷いや偽りは感じず、小さく胸が鳴った。
お母様は、周さんに真剣な眼差しをぶれることなく向けている。
「……これまでの一柳家の決まりを変えるほどなの?」
「ああ」
即答した彼は、なにか思いを巡らせるような伏し目がちになる。その表情はとても柔らかい。
「俺にはできない考えをする彼女には、度々はっとさせられるし、自分が優しい人間になれる気がする。それに……一緒にいると、楽しい」
穏やかな声で紡がれた言葉は、初めて聞く、私に対する彼の気持ち。
〝勘〟ではなく、具体的な理由が出てきて驚いた。そして、私と同じくふたりの日々を楽しいと感じていることに、胸がじんわりと温かくなる。
周さん、こんなふうに思うようになってくれたんだ。ちょっと目が潤んじゃうくらい、すごく嬉しい。