見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
「……悪かった、嫌な思いをさせて。あの人となんら変わらない発言をしていた、以前の自分に腹が立つ」
徐々に苦虫を噛み潰したような顔になっていくので、私は慌てて首を横に振る。
「いえ、いいんですよ。周さんもお母様も、私のことを思ってあえて伝えているんだってわかりますから」
それよりも、子作りに対しての考えを改めなければいけない。郷に入っては郷に従え、ということわざの通りに。
「私、子供はまだまだ先でいいと思っていました。でも、一柳家にとってはすごく重要なことで、のんびりはしていられないんですよね」
しばらくは周さんとふたりの生活を楽しみたいから、いざ抱き合うときが来ても避妊は怠らないつもりだった。しかし、そんな甘いことは言っていられなさそうだ。
まあ、それ以前に私たちはまだ身体を重ねてもいないんですが……。
複雑な心境で小さなため息をつくと、周さんは私の肩をそっと抱く。
「母の言うことは気にしないで、俺たちのペースでやっていけばいい。希沙が前に言ったように、まず愛し合うことが大事だと俺も思う」
気を遣ってくれる彼を見上げれば、いつもの冷静な瞳の中にちゃんと優しさも感じられた。
徐々に苦虫を噛み潰したような顔になっていくので、私は慌てて首を横に振る。
「いえ、いいんですよ。周さんもお母様も、私のことを思ってあえて伝えているんだってわかりますから」
それよりも、子作りに対しての考えを改めなければいけない。郷に入っては郷に従え、ということわざの通りに。
「私、子供はまだまだ先でいいと思っていました。でも、一柳家にとってはすごく重要なことで、のんびりはしていられないんですよね」
しばらくは周さんとふたりの生活を楽しみたいから、いざ抱き合うときが来ても避妊は怠らないつもりだった。しかし、そんな甘いことは言っていられなさそうだ。
まあ、それ以前に私たちはまだ身体を重ねてもいないんですが……。
複雑な心境で小さなため息をつくと、周さんは私の肩をそっと抱く。
「母の言うことは気にしないで、俺たちのペースでやっていけばいい。希沙が前に言ったように、まず愛し合うことが大事だと俺も思う」
気を遣ってくれる彼を見上げれば、いつもの冷静な瞳の中にちゃんと優しさも感じられた。