見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
とりあえず挨拶をしようと口を開きかけたとき、周さんが私の肩に手を回す。
「この子は泰永 希沙。俺の婚約者だ」
ひと足先に彼が紹介してくれたので、私は微笑んで「はじめまして」と頭を下げた。
しかし富井さんは、なぜか変なものでも見たような形相で愕然としている。
「婚約!? あの冷血人間のイチが!?」
すっとんきょうな声で叫ぶ彼からは、信じられない!という気持ちが出まくっている。しかも、その呼び方……遠慮をしない仲なのか、ただの嫌味なのか。
微妙な顔をする私の肩を抱いたまま、周さんは普段よりやや冷たさを増した表情で告げる。
「繋がりのある方々に彼女を紹介しておこうと思ってね。でも、お前も来ているならまたの機会にすればよかったと後悔している」
「そろそろなんとかならないのか、その失礼すぎる口は。って俺もか」
富井さんはムスッとしたものの、即座にひとりツッコミをして鼻で笑った。
悪態をつき合うふたりからは、仲のよさよりもなんとなく危うい雰囲気を感じる。一体どういう関係だろう。
内心オロオロしていると、富井さんは私と向き合ってコロッと笑顔に変わり、とても気さくな調子で自己紹介を始める。
「この子は泰永 希沙。俺の婚約者だ」
ひと足先に彼が紹介してくれたので、私は微笑んで「はじめまして」と頭を下げた。
しかし富井さんは、なぜか変なものでも見たような形相で愕然としている。
「婚約!? あの冷血人間のイチが!?」
すっとんきょうな声で叫ぶ彼からは、信じられない!という気持ちが出まくっている。しかも、その呼び方……遠慮をしない仲なのか、ただの嫌味なのか。
微妙な顔をする私の肩を抱いたまま、周さんは普段よりやや冷たさを増した表情で告げる。
「繋がりのある方々に彼女を紹介しておこうと思ってね。でも、お前も来ているならまたの機会にすればよかったと後悔している」
「そろそろなんとかならないのか、その失礼すぎる口は。って俺もか」
富井さんはムスッとしたものの、即座にひとりツッコミをして鼻で笑った。
悪態をつき合うふたりからは、仲のよさよりもなんとなく危うい雰囲気を感じる。一体どういう関係だろう。
内心オロオロしていると、富井さんは私と向き合ってコロッと笑顔に変わり、とても気さくな調子で自己紹介を始める。