見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
私は笑いそうになってしまったが、周さんは一層不機嫌そうな声でもう一度繰り返した。
しかし、富井さんはそんなことはものともせず、ニコニコの笑顔で再び私に向き直る。
「俺のこと知っててくれたなんて嬉しいな。今度ぜひ店に来てよ。あ、イチは連れてこなくていいからね」
彼は笑っているものの、周さんに手の平を向けて完全拒否している。ええと、これはどう返したら……!?
困り果てて曖昧に笑うことしかできずにいると、肩を抱く手にぐっと力を込められ、会場のほうへと方向転換させられる。
「行くぞ、希沙」
「え、あ……はい」
有無を言わさず歩きだす周さんについていきつつ、後ろを振り返る。富井さんは微笑んでひらひらと手を振っていたので、私は軽く頭を下げておいた。
受付を済ませてひと息ついたところで、平静な表情に戻りつつある周さんに苦笑交じりで問いかける。
「富井さんとは昔からあんな調子なんですか?」
「ああ……小学校から中学まで一緒で、成長するにつれてなぜか一方的に突っかかってくるようになったものだから、俺もそれ相応に返している」
しかし、富井さんはそんなことはものともせず、ニコニコの笑顔で再び私に向き直る。
「俺のこと知っててくれたなんて嬉しいな。今度ぜひ店に来てよ。あ、イチは連れてこなくていいからね」
彼は笑っているものの、周さんに手の平を向けて完全拒否している。ええと、これはどう返したら……!?
困り果てて曖昧に笑うことしかできずにいると、肩を抱く手にぐっと力を込められ、会場のほうへと方向転換させられる。
「行くぞ、希沙」
「え、あ……はい」
有無を言わさず歩きだす周さんについていきつつ、後ろを振り返る。富井さんは微笑んでひらひらと手を振っていたので、私は軽く頭を下げておいた。
受付を済ませてひと息ついたところで、平静な表情に戻りつつある周さんに苦笑交じりで問いかける。
「富井さんとは昔からあんな調子なんですか?」
「ああ……小学校から中学まで一緒で、成長するにつれてなぜか一方的に突っかかってくるようになったものだから、俺もそれ相応に返している」