見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
「君がなにを考えているか、なんとなくわかるようになってきたよ。こうして夫婦になっていくのかもしれないな」
穏やかな声をこぼした彼は、おもむろに腰を上げる。そして、壁際にあるアンティーク調のキャビネットの引き出しから一枚の紙を取り出した。
「君の悩みを少しでも軽くしてあげたいんだが、俺にできることはこれくらいしか思いつかない」
そう言ってテーブルの上に広げられた用紙に、私の目が釘づけになる。
「これ……!」
茶色の枠と文字が印刷されているそれは、初めて実際に見る婚姻届。しかも、周さん側の欄はすべて記入済みだ。
目を見開いて固まる私に、彼がとても真剣な声色で告げる。
「俺は、希沙と生きていく未来しか欲しくはない。たとえ子供ができなくても」
驚きのひとことで、私は瞠目して婚姻届から彼へと目線を上げた。
これは彼の、妊娠の有無にかかわらず結婚しよう、という意思表示なのだ。私の不安をなくすために、ここまでしてくれている。
それは本当に嬉しいけれど、跡取りを残せなかったら一柳家はどうなってしまうのか。
穏やかな声をこぼした彼は、おもむろに腰を上げる。そして、壁際にあるアンティーク調のキャビネットの引き出しから一枚の紙を取り出した。
「君の悩みを少しでも軽くしてあげたいんだが、俺にできることはこれくらいしか思いつかない」
そう言ってテーブルの上に広げられた用紙に、私の目が釘づけになる。
「これ……!」
茶色の枠と文字が印刷されているそれは、初めて実際に見る婚姻届。しかも、周さん側の欄はすべて記入済みだ。
目を見開いて固まる私に、彼がとても真剣な声色で告げる。
「俺は、希沙と生きていく未来しか欲しくはない。たとえ子供ができなくても」
驚きのひとことで、私は瞠目して婚姻届から彼へと目線を上げた。
これは彼の、妊娠の有無にかかわらず結婚しよう、という意思表示なのだ。私の不安をなくすために、ここまでしてくれている。
それは本当に嬉しいけれど、跡取りを残せなかったら一柳家はどうなってしまうのか。