見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
「どうした? ママ、いないのか?」
「ママぁ~! うえ~~」
「どこでいなくなったかわかる?」
「わか~あ~っ、ママ~」
ひたすら母親を呼んで泣き続ける彼に、俺もほとほと困り果ててしまう。
周りを見回してもそれらしき人は見当たらず、痛い視線を感じるばかり。俺が泣きたい。
ここの店員に頼んで迷子の知らせでも流してもらうか……と立ち上がったとき、子供用品のショップの棚に置かれたクマのぬいぐるみが目に入った。
ふわふわのそれは、手を入れられるパペットになっている。なんとなくこれであやしてみようという気になり、クマを装着して再びしゃがんだ。
「ねえ、どうしたの? どうして泣いてるの?」
クマの手で男の子の肩をぽんぽんと叩き、普段は絶対に使わない高めの声色で話しかけてみた。
それを一瞥した彼はひっくひっく、と嗚咽を漏らしながらも、「マ、マ、が」となんとか答えようとしている。さっきよりも反応があることに、少し希望を見出してきた。
「今、ママはきっと君を探しているよ。一緒に遊んで待っていよう」
そう言って、近くにある小さなクリスマスツリーやスノードームの雑貨へとクマを移動させる。
「ママぁ~! うえ~~」
「どこでいなくなったかわかる?」
「わか~あ~っ、ママ~」
ひたすら母親を呼んで泣き続ける彼に、俺もほとほと困り果ててしまう。
周りを見回してもそれらしき人は見当たらず、痛い視線を感じるばかり。俺が泣きたい。
ここの店員に頼んで迷子の知らせでも流してもらうか……と立ち上がったとき、子供用品のショップの棚に置かれたクマのぬいぐるみが目に入った。
ふわふわのそれは、手を入れられるパペットになっている。なんとなくこれであやしてみようという気になり、クマを装着して再びしゃがんだ。
「ねえ、どうしたの? どうして泣いてるの?」
クマの手で男の子の肩をぽんぽんと叩き、普段は絶対に使わない高めの声色で話しかけてみた。
それを一瞥した彼はひっくひっく、と嗚咽を漏らしながらも、「マ、マ、が」となんとか答えようとしている。さっきよりも反応があることに、少し希望を見出してきた。
「今、ママはきっと君を探しているよ。一緒に遊んで待っていよう」
そう言って、近くにある小さなクリスマスツリーやスノードームの雑貨へとクマを移動させる。