見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
これがもし、希沙との子供だったら、どれだけの幸福を得られるだろう。
──俺はやはり、その未来が欲しい。血筋のことは関係なく、彼女と愛に溢れた家庭を築きたい。
君が苦しいときは、俺も必ず力になるから。
愛しい人を想いながらささやかなプレゼントを買い、新幹線に乗って東京へと戻ってきた。
時刻は午後五時。一度本社に寄ってから帰宅するつもりだったが、希沙に会いたい気持ちのほうが強く、直で帰ることにする。
プロポーズをした日以来、なんと声をかけたらいいかわからずまともに話せていない。これでは関係が悪化するばかりだ。
優しくハグをして、どんなたわいのないことでもいいから話をしよう。今は、彼女の笑顔と元気を取り戻すことが最優先だ。
そう決めて、部下たちと解散したあとタクシー乗り場に向かう。構内を歩いている最中、よく知っている男がいるのを見つけ、足を止めた。
ダウンジャケットを着た、無造作な髪のその男性も俺に気づいて片手を挙げる。
「おー、周! 出張から帰ってきたんだな。お疲れさん」
「ああ……藪さんも休みか。こんなところにいるとは珍しい」
──俺はやはり、その未来が欲しい。血筋のことは関係なく、彼女と愛に溢れた家庭を築きたい。
君が苦しいときは、俺も必ず力になるから。
愛しい人を想いながらささやかなプレゼントを買い、新幹線に乗って東京へと戻ってきた。
時刻は午後五時。一度本社に寄ってから帰宅するつもりだったが、希沙に会いたい気持ちのほうが強く、直で帰ることにする。
プロポーズをした日以来、なんと声をかけたらいいかわからずまともに話せていない。これでは関係が悪化するばかりだ。
優しくハグをして、どんなたわいのないことでもいいから話をしよう。今は、彼女の笑顔と元気を取り戻すことが最優先だ。
そう決めて、部下たちと解散したあとタクシー乗り場に向かう。構内を歩いている最中、よく知っている男がいるのを見つけ、足を止めた。
ダウンジャケットを着た、無造作な髪のその男性も俺に気づいて片手を挙げる。
「おー、周! 出張から帰ってきたんだな。お疲れさん」
「ああ……藪さんも休みか。こんなところにいるとは珍しい」