見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
休日はだいたい実家の農家を手伝っているか、家で昼間から飲んだくれているかのどちらかの藪さんと、駅で出くわすとは予想外だ。
彼は手にしたクリスマス仕様の紙袋をひょいと持ち上げ、意味深な笑みを浮かべる。
「今年のクリスマスはサンタクロースになろうと思ってね。今日はそのプレゼントの調達に」
「ほう……。ようやく年の差恋愛をする勇気が持てたと」
サンタクロースになるという意味をすぐに理解し、俺はわずかに目を丸くした。
藪さんがだいぶ年の離れた栗山を特別視していることには、ずいぶん前から気づいていた。
年齢差がネックでなかなか踏み出せないでいることにも。そしておそらく、彼女も同じ気持ちだろう。
わが家で会うふたりは兄妹か友達のような雰囲気だが、とても仲がよくお似合いだと思っている。
藪さんは苦笑を漏らし、「やっぱり周は見抜いてたか」と照れ臭そうに頭を掻く。そして、どこか吹っ切れた表情で言う。
「今どき十五歳差も珍しくはないだろ、と開き直ることにした。背徳感はすごいけど」
「それも蜜の味というやつなんだろう」
「さすが周、わかってるね~……じゃなくて! 俺も一応真面目に恋してんだよ」
彼は手にしたクリスマス仕様の紙袋をひょいと持ち上げ、意味深な笑みを浮かべる。
「今年のクリスマスはサンタクロースになろうと思ってね。今日はそのプレゼントの調達に」
「ほう……。ようやく年の差恋愛をする勇気が持てたと」
サンタクロースになるという意味をすぐに理解し、俺はわずかに目を丸くした。
藪さんがだいぶ年の離れた栗山を特別視していることには、ずいぶん前から気づいていた。
年齢差がネックでなかなか踏み出せないでいることにも。そしておそらく、彼女も同じ気持ちだろう。
わが家で会うふたりは兄妹か友達のような雰囲気だが、とても仲がよくお似合いだと思っている。
藪さんは苦笑を漏らし、「やっぱり周は見抜いてたか」と照れ臭そうに頭を掻く。そして、どこか吹っ切れた表情で言う。
「今どき十五歳差も珍しくはないだろ、と開き直ることにした。背徳感はすごいけど」
「それも蜜の味というやつなんだろう」
「さすが周、わかってるね~……じゃなくて! 俺も一応真面目に恋してんだよ」