見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
「希沙ちゃんほど上手く淹れられないけど」と謙遜してローテーブルに置かれたそれを、ありがたくいただく。
そうしてひと息ついたところで、富井さんが切り出す。
「で、君が聞きたいことって?」
「あの、祖母や母から受け継いだ着物に、この紋が入っていて。女紋らしいんですが、見たことありますか?」
私はバッグからスマホを取り出し、カメラで撮っておいた紋を見せた。彼はそれをよくよく観察しながら首をひねる。
「んー、あったようなないような……。ちょっと待ってて」
そう言って立ち上がった彼は一旦部屋を出て、どこからか本みたいなものを手に戻ってきた。
年季の入ったそれはどうやら紋帳らしく、テーブルの上で広げるとたくさんの家紋がずらりと並んでいる。ふたりしてそれを覗き込み、目当てのものを探す。
「あ、あった。これだ」
しばらくして富井さんが指差したところには、確かに着物に入っているものと同じ絵が描かれていた。
すると、彼がなにか思い当たったように紋帳から顔を上げ、ひとりごとを漏らす。
「〝流水に紅葉〟……って、もしかして」
「なにかご存じですか?」
そうしてひと息ついたところで、富井さんが切り出す。
「で、君が聞きたいことって?」
「あの、祖母や母から受け継いだ着物に、この紋が入っていて。女紋らしいんですが、見たことありますか?」
私はバッグからスマホを取り出し、カメラで撮っておいた紋を見せた。彼はそれをよくよく観察しながら首をひねる。
「んー、あったようなないような……。ちょっと待ってて」
そう言って立ち上がった彼は一旦部屋を出て、どこからか本みたいなものを手に戻ってきた。
年季の入ったそれはどうやら紋帳らしく、テーブルの上で広げるとたくさんの家紋がずらりと並んでいる。ふたりしてそれを覗き込み、目当てのものを探す。
「あ、あった。これだ」
しばらくして富井さんが指差したところには、確かに着物に入っているものと同じ絵が描かれていた。
すると、彼がなにか思い当たったように紋帳から顔を上げ、ひとりごとを漏らす。
「〝流水に紅葉〟……って、もしかして」
「なにかご存じですか?」