見習い夫婦~エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます~
ゆっくり記憶を辿ると、周さんを見つけたところで意識が途切れていることに気づいた。サイレンの音が聞こえるし……もしやここは、救急車の中?
なんとなく状況を理解して、救急隊らしき人の質問になんとか答える。いや、答えたつもりだが、うまく口が回っているかはわからない。
さっきよりもはっきりしてきた視界に、ひどく沈痛そうな面持ちの周さんが映る。初めて見るその表情に、私も胸を痛めながら言葉を紡ぐ。
「ごめ……なさい」
こんな状態になって心配かけていること、プロポーズのこと、すべてひっくるめて謝った。
彼は切なげな笑みをわずかに浮かべて首を横に振り、私の右手を大きな両手で包み込んだ。
病院に着き、軽い検査をする頃には、だいぶ意識がはっきりしていた。おそらく貧血だろうとのことで、検査結果が出るまで病室で休ませてもらう。
個室のベッドで横になっていると、医師に呼ばれたらしく周さんが入ってきた。やっと落ち着いて彼の顔が見られてホッとする。
「希沙、気分はどうだ?」
「だいぶ良くなりました。本当にすみません、心配かけて」
「いや……目の前で倒れたときは血の気が引いたが、大事には至らなそうでよかった」
なんとなく状況を理解して、救急隊らしき人の質問になんとか答える。いや、答えたつもりだが、うまく口が回っているかはわからない。
さっきよりもはっきりしてきた視界に、ひどく沈痛そうな面持ちの周さんが映る。初めて見るその表情に、私も胸を痛めながら言葉を紡ぐ。
「ごめ……なさい」
こんな状態になって心配かけていること、プロポーズのこと、すべてひっくるめて謝った。
彼は切なげな笑みをわずかに浮かべて首を横に振り、私の右手を大きな両手で包み込んだ。
病院に着き、軽い検査をする頃には、だいぶ意識がはっきりしていた。おそらく貧血だろうとのことで、検査結果が出るまで病室で休ませてもらう。
個室のベッドで横になっていると、医師に呼ばれたらしく周さんが入ってきた。やっと落ち着いて彼の顔が見られてホッとする。
「希沙、気分はどうだ?」
「だいぶ良くなりました。本当にすみません、心配かけて」
「いや……目の前で倒れたときは血の気が引いたが、大事には至らなそうでよかった」