見習い夫婦～エリート御曹司と交際0日で妊活はじめます～
妊婦生活は順調で、想像を絶する痛さだった出産も、半日足らずで無事終えたので安産だったと言っていいだろう。

棗が誕生した瞬間は〝やっと出たー!!〟という爽快感にも似た感覚で、感動で泣くのかなと想像していたが、現実はそれどころではなかった。

しかし、元気に泣く小さな小さなわが子を胸に抱かせてもらったら、その可愛さと、お腹の中でちゃんと成長して対面できた嬉しさで、感動が一気に襲ってきてようやく涙が出たのだった。

それと同時に、自分の中にこんなに眠っていたのか、と驚くほどの母性愛が湧いてきて、母の言っていたことは正しかったと実感した。


男の子ではなかったものの、お義母さんは『やっぱり女の子も可愛いわね～』と、とても喜んでいてホッとしている。

お義父さん共々ここに来る回数は格段に増えているし、そのたびにおもちゃを買ってきてくれるのだ。

私の実家でももちろん大喜びで、男性陣がメロメロになっている。

棗に感化されたのか、玄にいもそれからしばらくしてずっと続いていた彼女と結婚し、すぐに子供を授かった。

こちらはやんちゃな男の子で、棗と一緒に遊んでもらえるのが嬉しい。
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